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【第百二十八話】
 たとえば、血流を良くするためにマッサージをするからといって、皮膚や皮膚直下の細胞に余計な負担やダメージを与えてしまっては(与えることになっては)良くありません(良くないのは明らかです)(元も子もありません)。細胞に余計な負荷なく、良い作用がはたらくように技術を行うにはどうしても細胞という一つの組織の単位に合わせた施術をしなければならないのです。細胞の大きさは、種類にもよりますが、(ごく)ごく一般的には10~50μm(ミクロン)とされています。これは1cmの1/1000~5/1000くらいの大きさです。

そうです。細胞を対象にして正しい施術をしようと考えれば、1/100mmから5/100mmくらいの大きさのものに対して作用させるような動きを大前提にしなければなりません。大前提、と言いましたが、かりそめにも皮フや頭皮それもその内部に(まで正しく)配慮するならば、このような“小さな生命体”に対して適合した動き、作用、技術を行うことはあたりまえのことと言えます。とはいえ1cmでも細かい!と思う私達ですから1/100mmとか5/100mmとかいう施術のレベル、スケールはほとんど“ゼロ”に近い動き、つまり私達が人間を仮に象として考えると(とらえると)、(象が)蟻に(対して)触れるくらいの『繊細さ』を施術そのもののベースにするという考え方を持たなければならないといういうことになります。

施術にあたって最も注意しなければならないのが、触れ始めであり、皮フへの圧力です。この考え方から触れ始めの時は重さを(圧力を)ゼロにする、というゼログラム・タッチの発想が生まれたのです。